リハビリテーション新聞: 私たちを評価するのはだれなのか知っておこう

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私たちを評価するのはだれなのか知っておこう




「医療介護業界の皆さん。私たちは誰から認められたいと思って仕事をしているだろうか?」 患者だろうか?それとも職場の仲間だろうか?はたまた業界の仲間?いや、世の中?それとも自分自身だろうか?


そもそも、私たちの仕事の出来栄えをはかるモノサシはなんだろうか。技術、協調、経済効果、さまざまな意見が聞ける。それでも答えが言える。「私たちを評価する人が重視するものがモノサシ。」ということだ。


では私たちを評価してくれるのは誰だろうか。「患者です。」本当にそうだろうか。先輩から喝をいれられたり、発表で恥をかいたときに「人生オワッタ」と思う人は、他人の評価ばかりを気にして仕事をしている。そんなひとは、患者を置き去りにしてしまう。


正直にいうと、私も新人の頃は患者を置き去りにしていた。もちろん患者からの評価は大切だった。しかし、重きを置いたのは、今日の自分自身の治療の出来栄え、会議の出来栄え、発表の出来栄え、先輩の評価ばかりを気にして仕事をしていた。


学校では「患者の為」といいながら、テストの点数ばかりを気にして勉強していた。 学会では、「患者の為」といいながら、同職者の評価ばかりを気にして発表していた。


院内会議では、「患者の為」といいながら、上司や他部署の反応を気にして発言していた。 研修の講師をするときは「患者の為」といいながら、参加者の満足度ばかり気にして研修をすすめた。


そして、転倒予防セミナーに参加すると、いつも思う。大病院の転倒対策本部は、「患者の為」といいながら、患者を縛り、抑制することで転倒発生率を下げる。そりゃあ、いい成果がでるでしょう。彼らの関心は、患者ではなく、権威ある組織からの安全基準の称号を貰うことだ。


別業界にいる営業マンの友人も言っていた。「目的は利益なのに、契約の金額と数で評価される。くだらない契約をとることに終始しなければならなくなる。」ここから言えることは、私たちの仕事は『何を餅とするか。だれが餅を配るか。』で決まってしまうということだ。


私たちの理想をへし折り、不毛な活動に終始させるモノサシがごまんとある。私が大キライなモノサシはFIM改善率と自宅復帰率だ。これらの罪に気がつこう。どうでもいいことに悩まないようにしよう。目的と成果が一致する理想的なモノサシで評価されよう。評価しよう。


以上、選挙が公正ならば、どの政党も票を持っている世代・業界には逆らえない。若者世代が票を持つには選挙にいくだけでよい。でした。


H24.12.14

<皆さまとの意見交換>
@tyamabitti FIMの改善率がキライな理由を教えてください。実習ではかなり使いそうな評価なので。
@2008pt  FIM改善率に固執することは退院後の生活を無視することです。自宅退院率に固執することは重症例を拒否することです。それなのに、よく、療法士や病院の機能評価になります。だからキライなのです。実習指導者は患者や学生の成長よりも、レポートであなたを評価することが多いです。実習指導者自身も誰かに評価されるわけです。だから、王道の指標が抜けていると、餅が貰えません。指摘されます。 

@necojun 個人的にはFIMに固執するつもりはないですが脳疾患の患者を受け入れられない御家族との会議において実際の生活場面と重ね合わせながら説明して今後の生活フォローへの一資料として使ったりはしております。ただぶっちゃけたところを言えば退院時のサマリーとかはFIM的なとこで改善された部分を記載せよ的暗黙的了解があるのもこれまた事実だったりします。
@2008pt  その通りです。ただの一資料です。仕事の成果をはかる指標ではありません。者からみれば、FIMを追求されても仕方がありません。追求すべきは生活再建です。どれだけ退院後の生活に関わってもらえるか、地域と繋げてもらえるか、会議を開催してくれるか。そこが関心事です。近年はこういう活動への診療報酬が急上昇中です。