リハビリテーション新聞: ボトムアップとトップダウンを使い分けできる?

ページ

ボトムアップとトップダウンを使い分けできる?




ボトムアップ派 「プロなら問題の根治を追求すべき。安易に代償するやつは半人前だ。」  トップダウン派 「いま、目の前の問題を解決する。能書きたれるばっかりでは何も解決しない。」 このように、両派には対立がある。


この2つは問題解決のプロセスだ。違いを大まかに説明すると、ボトムアップは不足する要素を全て洗い出す。トップダウンは生じている不便を、いま解消する。



ここで、リハビリテーション業界の構成を、ボトムアップ派からトップダウン派の順番に並べると1基礎研究、2臨床研究、3機能追求の現場、4生活追求の現場、5福祉の現場となる。私の立ち位置は4.5のトップダウン派だ。


それぞれの長所をあげると、ボトムアップによる介入は基礎からひっくり返るポテンシャルを秘める。トップダウンは目の前の問題を解決させる。両者のいいところ取りするにはどうすれば良いのか悩んだことがある。


具体例1。5分歩くと膝痛を訴える患者。膝の関節生理学や姿勢の不良を論点にして、機能向上するのか。膝痛により不便になっている生活を論点にして、杖や介護サービスで代償するのか。


具体例2。入浴や更衣の際に、手が足部に届かない患者。ヘルパーを利用していることを依存とみて、機能向上をするのか。理学療法士から卒業できないことを依存とみて、サービスを利用するのか。



これら2例を述べると聞こえきそうなことは、「両方を使い分ければいいじゃないか。」だ。では、どうやって使い分けるのか?いまでこそ、具体的な思考プロセスが定まっているが、迷走したものだ。


私の答えを言う。「基本はトップダウン思考によりその場で問題解決。解決できない問題が残存して、時間と予算の余裕があればボトムアップ思考。」 これなら、両プロセスの長所が存分に活かせる。


目の前の問題をすぐに解決すべき。ここにトップダウンの強みがでる。その後に根治を追求する。ここにボトムアップの強みがでる。


以上、目の前の問題解決を先延ばしにして難しいパズルに四苦八苦することは、悪い実験だ。いま取り組むべきものに取り組もう。でした。


H24.4.29

<皆さまとの意見交換>
@buru1987 ボトムとトップ難しいです… 自分としては急性期に務めていることもあり、評価も治療も機能面に重きを置いています。 両方の立場から物事を考えられる柔軟性が大事なんですかね⁈
@2008pt 両方を経験してどちらかに特化がよいと思います。
@goro1977 自分もそう思います。患者さんは待ってはくれない。つい最近後輩とトップvsボトムの話をしたのを思い出しました。患者さんの生活を再構築する介入ができればいいんだと思います。
@2008pt はい。真のニーズは身体より生活です。
@PTshiba: まさに実験…その結果のみに一喜一憂してる姿…おそろしい
@2008pt 不毛ですねぇ。