リハビリテーション新聞: 自主トレの罠にハマらないようにしよう

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自主トレの罠にハマらないようにしよう




「リハビリテーションのカギは自主トレーニング
 」これは誰もが気がついている。しかし根付いていない。私はその内容をみることで、リハビリテーション専門職の力量がわかる。私がみる点は、「生活に落とし込まれているか」ということだ。


リハビリテーションの世界での自主トレーニングと言えば、○○運動を30回などが一般的だ。毎度、このような自主運動を設定する理学療法士・作業療法士は、クソだと思っている。退屈であり、不自然であり、継続できないからだ。依存ばかりが生まれる。



例を出す。貴方がお盆に帰省して、祖母が右膝が痛いと訴えたとする。貴方は評価をしたあとどうするだろう?「毎日、○○運動を30回をしよう」と言うのだろうか。その場限りの対症療法をするのだろうか。それでは不毛すぎる。



一回の介入で魔法をかけるには、生活に落とし込む必要がある。例えば右股関節内転制限が問題なら「今晩から左を下にして寝て。」骨盤左傾斜が問題なら「右側に食器を置いて食事して。」ということだ。もちろん実行可能かどうか評価、整備する。



私は権限委譲の為に評価、治療介入する。生活になじむ適切な課題を提供することに最大の価値を持たせる。そして課題を調整がしやすいのが入院患者だ。毎日、課題の判定・修正ができる環境下にある。



入院患者例。BI0点の頚椎症性頸髄症ケースの2ヶ月間の経過を言う。左手スプーンを獲得できたらベッドアップとエプロンを使って食事開始。次に膝立臥位ができたらこの姿勢で食事。ヒップアップができはじめたらオムツ交換で活用。つづく。



端座位ができたら背もたれ座位で食事。移乗ができはじめたらポータブルトイレで排泄。背もたれなし座位ができたらこれでテーブルを離して骨盤前傾位で食事。歩行器ができたらトイレ移動開始。右手スプーンが可能となったら右手で食事。ズボン操作ができたらトイレ自立。



このように適切な生活課題を提供し続けるだけで勝手に元気になっていく。成長の為の権限委譲を繰り返すことが依存からの解放となる。例えるなら、子どもの教育、"勉強を遊びに落とし込む"と似ている。



理学療法士がいる時だけ運動をする患者をつくり、依存させる。そんな仕事の作り方は偽物の雇用創出といってもいい。リハビリテーションの概念にあまりにも矛盾している。だからといって課題を出しても、生活に落とし込めていないなら同類だ。



以上、自立を提供したつもりなのに、依存を提供する罠にハマらないようにしよう。でした。



H24.9.1

<皆さまとの情報交換>

@oogami_sr  なるほど。めちゃくちゃ良くわかります
@2008pt はい。あらゆる業界に言えることだと思います。
@hrkjyjcy すごい勉強になります!!
@2008pt よかったです。リツイートして友人にも届けて下さい。
@maicharoo 学生ですが、とても分かりやすかったです!!いつもありがとうございます。
@2008pt  励みになります。
@yokochan225 深い。たしかにハマる…
@2008pt はい。私も気が抜けているとハマります
@tamutamo2525 勉強になりました!現在、育児休暇中のため、現場にはいませんが復帰したときのために、これからも拝見させてください。
@2008pt ぜひ!
@mikenekomoon   『自主運動』についてのお話し。とても分かりやすく、なるほど~!と、思いました(^o^)これからも、よろしくお願いします(*^_^*)
@2008pt励みになります。
@masato2264  すごくタメになるツイートでしたのでリツイートさせていただきました。
@2008pt どんどんお願いします。
@ta_la_la_ 魔法をかける とかカッコイイ!
@yusukemonkyoto これは大事な視点。時間がかかるし、いつも成功するわけではないがそうありたい
@417one 考えさせれます。患者さんに普段行っていることが本当に日常生活にどれだけ必要なのかもう一度考え直す必要がありますね。
@2008pt 依存を生むのか、自立を生むのか。安易な支援は往々にしてトロイの木馬(善意の罪)です。
@rmit_one 私もそう思います!回復期のリハビリ病院勤務ですが若いリハのスタッフには生活が見えていません! 病院内の自立がゴールと思っているようです。
@2008pt  正気になってもらうために、真実を多数派にする活動をしましょう。