リハビリテーション新聞: 個別ケアとは一対一でケアすることではない

ページ

個別ケアとは一対一でケアすることではない




協同企画:の記事 25.2.13


今日もまた、本部の連中に吠えてしまった。机上の学問については優秀かもしれないが、現場に精通していない本部の連中は、いつも視点がズレている。彼らはいつも『個別化』という言葉を口にする。そのためにはチームケアだということで、それぞれのチーフに威圧的に迫ってくる。



小規模になれば個別化だという短絡的な発想は恐ろしいと思う。本部が気にするいくつかの項目があって、それをクリアしていなければ落第だという発想は、それぞれの施設の個性を潰していく。彼らの口にするテーマは『チームケア』と『記録』についてのみである



チームケアができていれば賞賛されるし、それ以外の要素がどれだけ素晴らしくても、記録が本部の思惑とズレていれば袋叩きにされる。そんなバカな話しがあるとかと思うけれど、本部はそれ以外のことには関心がないというよりは、あまりにも無知なのだ。だからあらゆる議論をその2点に誘導してくる。



知らないことを認めることが出来ないから、どんな領域の議題についても、自分の知っていることに還元してしまう。そして多くのチーフは、彼らの土俵の上での試みを余儀なくされて、それ以外の領域が見えなくなる。だからどの施設の発表もチームケアについてだ。それ以外のテーマは見当たらない。


個別排泄を目指しています。個別の入浴に向かって励んでいます。個別のレクリエーションの実現に向けて邁進しています。そのためにはチームケアが必要です。各施設の発表を聴いていて気味が悪くなった。狂ったように個別と誰もが叫ぶけれど、誰が個別という意味を、真剣に噛み砕いているのだろう?


本部の無知と見栄が、議論を知らずうちに誘導して、それぞれの施設の真の課題が黙殺されていく。だから何年経っても、それぞれのチーフは同じことを言っている。


本部の話しはともかくとして、各施設の発表を聴いていて、『個別化』という言葉が良くないと感じた。どうしても物理的な数の話しになりがちだからだ。だから『個別化』という言葉を改めて、『個性化』と言い換えたらどうだろう。もう数の論理には飽きた。さすがにもうそろそろ先に進もう



<皆さまとの意見交換>



@Nさん  個室浴槽=個別ケアという怖い考えがうちの介護の上の方にもあるなー。
@ma5410  すごくよくわかります!個別化とか個別ケアって事を誤解しているというか本質からズレているというか…そのキーワードに限らずなぜかそういうはき違えのような現象が介護の現場でよく起きている気がします。個別ケア=単独行動ではないですよね。
@yuumatan  介護の介入場面において、物理的に1対1になれば個別化だと。短絡的な発想が権力を持っていて、それを本部が推奨するから、それぞれの施設はもはやそこから抜け出せない訳です。自分もそうですが、明らかに軽蔑の眼で見られますから。
  
@bros1_2     マンツーマン=個別化って事ですか?そりゃどれだけ職員いても足りませんね。
@yuumatan   特定の手段に固執して、目的が埋没しているんですね。個別排泄に取り組んでいて、個別排泄表を作りましたという発表があると本部は喜びます。だから『自分は無知でよく分からないのですが、利用者にとって個別の排泄とは何ですか?』と質問すると、誰も答えられないですね。
@bros1_2    個別ケアって一体何なんだと不思議に思えるエピソードですね。
@yuumatan  自分が入所にいた頃は、『いつでも行きたい時にトイレに行ける…』と、シンプルに設定しました。それだけでも日中のパット内失禁はなくなりましたよ。パット内失禁があるということは、何処かで排泄を抑制する因子があって、不愉快な想いをしてるだろうと、チームで協議しました。『もうすぐ食事の時間だから、トイレは食事の後でしょう』だとか、気づかないうちにスタッフは排泄を抑制する空気を作り上げている。そこで求められるのはスタッフの価値観の更新な訳です。けれども、個別排泄表というツールを作成すれば、それが個別排泄になるという雰囲気がある。
 
@2008pt 編集後記  個別化とは 「利用者に施設都合のルールを押し付けないこと。」 また 「現場に本部都合のルールを押し付けないこと。」と解釈しています。これは、”コベツシドウ”をうたう”じゅく”が、生徒にたいして「カリュキュラム通りに進めたいから。オマエはできていないけど次いくぞ!」と、いって過負荷を出すようなものです。退屈な課題も一緒です。そうなってはダメだから個別リハビリテーションなんですね。介護も一緒です。