リハビリテーション新聞: 障害者が健常者に手を差し伸べる社会

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障害者が健常者に手を差し伸べる社会


医療介護業界の皆さま。利用者から突然こんなことを言われたら要求に答えれるだろうか。「病院の運営に協力したい。私は“紙芝居”が得意なの。」 私は「この件、スルーしてはだめだ。なんとか実現させなければならない!」 と思った。今日はそんな話をしようと思う。


スポーツ中にケガをした60歳代の女性が、入院していた時の話しだ。彼女は、元々、
みんなを元気付けるボランティア活動をしていた。病院や介護施設を回って“紙芝居”をしているのだ。そんな彼女が、当院でも開催したいと言ってくれた。


さぁ、どうやって実現しようか。デザインから始まった。必要なのは、2つ。“ 紙芝居 ”と“ 舞台 ” だ。紙芝居の準備に関しては、看護師長が動いてくれた。図書館より借りてきてくれたのだ。あとは舞台の準備だ。これが私の仕事となった。



舞台に必要な物は何だろうか。お客・場所・時間だ。お客は、入院患者と決まっていた。あとは場所と時間だ。病棟ですべきか、廊下ですべきか。色々考えた末に答えが出た。昼休憩のリハビリテーション室で開催することにした。



紙芝居の準備が整ったことを彼女に伝えると喜んでくれた。そして、もうひとつの注文が入った。「アシスタントを1人つけて欲しい。紙芝居めくりと、ちょっとした声だしだけだよ。」それなら私がします。と自分がアシスタントとなった。



そして当日。13時より開催であることを入院患者に伝えた。朝礼で全職員にも伝えた。そして、4名の職員が会場への移動を手伝ってくれることになった。座位がようやく保てるようになった患者もいる。協力者がいないと、参加者全員の誘導はできない。


本番1時間前。彼女とアシスタントの私は、打ち合わせをした。今回の紙芝居は30分で2話。「かさじぞう」と「ネズミきょう」というものだった。私の役は3つ。おじいさん、おぼうさん、そして泥棒だ。ただ、思いのほか彼女の要求は高かった。声優になれ!と指導された


「おじいさんの声はゆっくりと弱々しく。びっくりするときには早口で!恥ずかしがらず大声で!」 そう。私は、彼女から紙芝居の指導をうけた。いつもリハビリテーションを指導させてもらっているのに、この時は逆転した。そしてこのとき、彼女の中に“輝く主体性”をみた。



そして本番。笑い声は院内全体に響いたとさ! お ・ し ・ ま ・ い。 (冒頭の写真が実際の現場)


以上、溢れる地域資源は、受け入れ態勢がなければ輝かない。でした。


H24.12.20

<皆さまとの意見交換>


@hide_rock1979: おはようございます。朝から感動させて頂きました!
@2008pt このマニアックで学生ウケの悪い話の良さがわかるんですね!お目が高い
@yuumatan: 支援関係を逆転させること。さすがですね!木村さん!
@2008pt まだ二流ですよ。ここで分別垂れてみます。「三流の職員は利用者から役割を貰う。二流の職員は利用者に役割を提供する。一流の職員は利用者同士の役割を次々に創り出す。」あれ!優馬さんじゃないですか!