リハビリテーション新聞: 理学療法を”外部委託”する理学療法士

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理学療法を”外部委託”する理学療法士


1人でできる仕事を、7人でやらなければならない場面は多い。そして歯がゆい。私の経験では、大人数でキャンプに行き、皆でテントを張ったり、BBQの準備をすると、人数過剰となる。たった1人が、会話を楽しもうともせずに、黙々と作業に打ち込む。すると、他6人の仕事がほとんどなくなってしまう。


テントを張る場所についても対立する。海側派が「山は土砂崩れがおきやすい状況にある。海側にしよう。」と言えば、山側派が「そうだね。だったら、あそこなら大丈夫だよ。山側から強風が吹いているから、山影に隠れよう。そうすれば、張る時もその後も楽だよ。」と、絶妙な反論をする。これなら、勝者は山側派だが、敗者はいない。


このように、大人数で何かをつくる時、「いかに全員の力を引き出すか。」という問題がある。私が、リハビリテーションを通して経験したことは、自分の担当患者に、サブの非常勤の理学療法士が7人に付いたコト。看護師部門や介護部門がリハビリテーションに本格的に参画してくれたコトだ。


つまり、職員全員が、リハビリテーションチームになってくれた。新人時代を思えば、恐縮するような状況だ。私は、行使できない権限まで抱えてしまった。だれかに権限委譲すれば、行使できない自分よりも、上手にやってくれるようなことが沢山ある。誰に何を任せようかいつも悩んでいる。


一番悩むのは、増員になったときだ。毎年、新年度には「一人ひとりの力をどう引き出すか。チームとしていかに結果を出すか。」ということを、一日中考えている。2~3カ月ひたすら考えている。


少し考えて欲しい。「あなたの担当患者さん。新人さんを2人加え、3人でみてください。」これだけでも、厳しい要求だろう。私が要求されたのは、「あなたの担当患者さん。非常勤理学療法士や新人さんを中心に7人で担当してください。あなたの介入は週2回程度でよい。」といった状況だ。


さすがに統制がとれなくなった。どうすればよいのか悩んだ。そして答えが出た。患者にこう言った。「ここは、非常勤の職員が多い病院です。多くの理学療法士が関わることになると思います。しかし、私があなたの担当者です。私が、退院後の生活を責任をもって準備します。」


非常勤の理学療法士に依頼するのことは、”生活につながる理学療法”だけにした。リハビリテーションは依頼せず、私の役割とした。私は、できるADLをしているADLに変更したり、退院後に利用するサービスの準備をしている。「頼み方は任せ方。」それがわかってきた。


自分が担当する入院患者が、1人だけなら自分1人で全てを担う。でも現実は、最高17人になる。17人全員に退院支援を提供しようと思った時、どうしてもマンパワー不足に陥る。そこで、理学療法を外部委託できることに気が付いた。いまなら、7人で楽しみながらテントを張れる気がする。


以上、実習生や新人さんには、仕事を一部まかせれば最高の”体験”となる。それがクニリカルクラークシップであり、誰も損をしない。

H25.4.11