リハビリテーション新聞: 回復期病棟でのセラピストの役割

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回復期病棟でのセラピストの役割



協同企画:  の記事 H25.3.27

「やってみせ,いって聞かせて,させてみて,褒めてやらねば人は動かじ」  山本五十六 

自戒も含め,考えられない若手は多いです.それでも後輩を放置することが得策でしょうか.最初はお手本が必要だと思ってます.考えさせるにしても,自分の答えを示せない教育者は無責任です.


「人前で話すということは聞いてくれる人に何を伝えたいか.そして,どのように思考を変えたり,膨らましたいのか.これを達成するためにベストな手段を選択しなくてはいけないよ」この岩丸先生のお言葉,発信する者としての力量を問われていると思います.



さて,今回久しぶりに勉強会を開催しました.その名もスギトーークw テーマは「訪問リハビリ・デイケアの見学で感じた,回復期病棟でのセラピストの役割」です.回復期のセラピストは患者の退院後の生活をみた方がいい」先輩のこの言葉を,現場から声を上げることで見学を実現できました.簡単ですがまとめたいと思います.


1.生活を変化しうる機能訓練が,退院後の自主トレにつながる
入院中は機能訓練を主に行いたいと思いますが,それが生活にどう活きるのかを突き詰めて考えたり,説明する必要があると思います.生活に活きないものや,退院直前にとってつけたような自主トレ・家族指導は定着しにくいです.先輩方からの意見で,自主トレを意気込んで実践している方は少数だというものがありました.自主トレの提示方法は,「ながら」「ついで」「あいま」に出来る,気軽な発想の方がいい事もあると教えていただきました.


2.生活を選択できる事が主体性であり,ADL訓練はその幅を広げる
生活を選択できるために,本人・家族のニードから目標を決めます.ところが,本人のニードは日々刻々と変化するものです.入院中と退院後はもちろん,生活をする中でも変わりうるニードを聴取しよう.そのために,副担当や代行してもらった時の情報収集は主担当にとってありがたいものです.
ある障がいが原因で差し込み便器を利用されていた方に対して,PT・OT一丸でとにかくトイレに行けることを優先した事もありました.今何が必要なのか,将来どうなりたいのか,ニードは色々な角度で見る必要がありますね.


3.本人・家族にとって望ましい介護保険サービスを考える
退院後の生活や介護サービスの内容を知らないと,担当セラピストが退院後のフォローの目的を考えるのが難しいと思います.なんで訪問リハなのか,なんでデイケアなのか.決定するのは本人や家族,リハ医,ケアマネの協議を基にしているのは当然ですが,毎日接しているセラピストが口出しできないのは悲しい事だと思います.ただ無責任に進言してはいけません.こういう時に他職種の共働が必要だと思います.


ここで,先輩のお言葉です.「患者さん自身が目標を決めることはもちろん大切.だけど担会や退院前カンファレンスのような重いムードでは,患者さん自らがニードを口に出す事は難しいと思う.その点セラピストは普段の関わりから本音を汲み取りやすくて,患者さんの味方になれる可能性があるよね」


ステキです.回復期セラピストはこの強みを他職種にアピールすべきです.毎日接しているからこそ,患者さんの想いの代弁者になれるんです.あくまでも,本音と建前には要注意ですけどね.


また「介護サービスについては,セラピストが選択肢を提示できる事も大事だし,患者・家族自身がその中から自己決定する事で,選択する責任を共有する事もまた大切だね」ともおっしゃっていました.こういう発想はなかったですが,信頼関係があるからこそ出来る事だなと感じました.適当では済まされない問題です.


さて,セラピストの役割について考えてきました.今回のような退院後の生活を知る事で,自分がしてきたリハビリがどれほど生活につながっているか,またはつながっていなかったか,もっとできる事はなかったのか,などを確認・反省できると思います.リハビリテーションはやりがいのある仕事です.仕事は楽しく,ひたむきに出来た方がいいですね.




<皆さまとの意見交換>
2008pt編集後記  回復期リハビリテーション病棟のアウトカムは「退院後の生活です。退院後の生活を知らずして、価値あるものは提供できませんね。