リハビリテーション新聞: いい介護士がダメになる理由

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いい介護士がダメになる理由




考えてみると、自分は介護の教育を受けたことはない。誇るべき知識も持ち合わせていない。ただひたすらに、利用者から学ぶことでここまで来た。目の前にいる利用者が教材そのもので、とにかく自分の頭で考え抜くということ。そろそろ自分にはない知性の相棒が必要だと感じる。


自分の所有物ではないのだけれど、教育とは一種の芸術に想える。チームの若いスタッフは本当に良い仕事をする。様々な意味を理解して動いている。4月から辛抱強く行っていた教育がやっと花開いてきた。若いスタッフが自分の教育によって、自分を凌駕する仕事ぶりを見せる。こんなに嬉しいことはない。


多くの指導者にはある種の欲があるように想える。自分を慕って欲しいし、尊敬の眼差しで眺めてもらいたい。けれども、そうした欲は、部下の適正な姿を見失わせる。自分を凌駕した部下を認めることができずに、その仕事ぶりの粗を探そうとする心理が働くこともある。


自分以外の指導者に相談を持ち掛けている事実を知った時に、心の何処かで嫉妬心が沸いて、部下の評価が適正でなくなることもある。指導者と部下との関係性において、あまりにも理想を求めすぎると、その関係性が歪んで、結果として部下の才能を殺すことになる


指導者は、自分と部下との関係性ではなくて、あくまでも部下と利用者との関係性に着目し、視点を定めなければならない。部下は利用者のために存在するのであって、指導者のためにいるわけではないからである。けれども多くの指導者が、自らとの関係性を通して部下を評価する


よって、部下の利用者に対する貢献の度合いは軽視されて、指導者に肌が合う部下が力を持つようになる。本来の目的は忘れ去られて、本人は自覚せずとも、チームの私物化が開始される。



H23年12月  筆者 旧@yuumatan 


<皆さまとの意見交換>


@ryukyuot いつも熱いハートの込められた言葉をありがとうございます。

@yuumatan OTさんは素晴らしいと思います。介護スタッフにもよく見習うようにと言っています。課題そのものは手作業に過ぎない。そこに意味を込めるということ。

@ryukyuot 介護にも素晴らしい人はたくさんいます。職種ではなくて、人ですね。いい人間になりたいです。

@yuumatan 良い人であるということ。そのシンプルなことが、最も重要なことだと思います。利用者が僕に教えてくれました。『飯の味なんかどうでも良い。レクリエーションにも興味なんかない。俺たちの最も重要な関心事は、今日出勤してくる職員が、良い奴か嫌な奴かと言うことだ。』と…