リハビリテーション新聞: 作業療法士は作業ではなく役割を与えるべき

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作業療法士は作業ではなく役割を与えるべき




利用者の生活歴を分析して、編み物が得意だったという情報を得る。編み物の道具を用意して、利用者は黙々と編み物をしている。それはそれで意味があるのかもしれない。


けれども、彼女の作品が居室に積まれているのを見て、非常に哀しくなる。


彼女が在宅で編み物をしている時に、編み物は目的そのものではなかっただろう。そこには第3者の存在があって、自らの生産物が、活用されることに意味を持ったのだろう。編み物は手作業にすぎない。


それを作業療法という領域に高めるためには、それを活用する第3者を創出しなければならない


彼女の作り上げた製品を家に持ち帰る。次の日に『嫁が喜んでいた。』と伝える。『次は何が欲しいか奥さんに聞いてきなさい。』と、利用者がスタッフに指示を出すようになる


私たちが彼女のなすべきことを提示するのではなくて、彼女が私たちに仕事を与えるようになるのだ。


H23年12月  筆者 旧@yuumatan