リハビリテーション新聞: 患者が欲しいものは正論よりも共感

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患者が欲しいものは正論よりも共感




平成251031日 秋の園遊会。山本太郎議員が、手紙を天皇陛下に手渡した。YouTube動画) この行動には、賛否の声が集まっている。今後も、積極的な活動を続けていくのか、あるいは、処分されるのか様子見の段階だ。私は、このニュースを、他人事だと思えない


山本太郎参院議員には、彼なりの信念・理想がある。それゆえ、現実とのギャップに問題意識が生まれる。高い理想をかかげるほど、現実の粗末さに、いてもたってもいられなってくる。どうにか、自分の発言に注目を集めたいと思い、滑稽な売名行為をしたのだろう。そこが、私と似ている。


私たちは、なにか成したいことがあり、それが成されない時、欲求不満に陥ってしまう。この時、さまざまな反応があらわれる。幼児であれば泣きわめき、中学生は、攻撃的になることだろう。そして、大人は、もっと滑稽だ。


私であれば、「リハビリテーション新聞」という“大袈裟”な名前を借り、自分の理想を発信している。職場では、仲間の手柄を横取りしてまで、発言力を高めて行った。自分の正義を貫くためだ。このような滑稽な形で、自分の欲求不満に対処している私である。


ここで、“患者”の欲求不満について考えてみたい。「私にできないわけがない」、「元気にならないと、家に帰れない」「トイレにいきたいけど看護師さんを呼ぶのは気が引ける」 あらゆる欲求不満に苦しんでいることは、容易に想像できる。


患者の欲求が満たされない場合に認めるものは、危険行動や、無気力だ。そして、今度は、この危険行動や無気力 “そのもの”を批判され、傷つき、殻に閉じこもっていく。「どうせ誰もわかってくれない」、「言っても仕方がないから我慢する」、「もうどうでもいい」という反応だ。


そこに理学療法士がやってきて言う。「股関節が硬いですねぇ」、「炎症があるから高い位置を保たないとダメですよ」、「最近の研究では深部体幹筋を・・・」 どうだろう。あまりのお粗末さにクラクラしてこないだろうか。私はクラクラしている


“欲求不満を解消すること”こそが、医療介護業界の仕事の本質だ。我々、医療介護業界で働く者は、患者の欲求不満を、察する必要がある。その為には、まず、患者の味方になり、共感し、よき理解者になる必要がある。すべてはそこからだ


私たちは「あなたのことを考えていますよ」と患者にアピールすべき立場にいる。山本太郎議員は「国民のことを考えていますよ」とアピールすべき立場にいる。今回、“手紙を天皇陛下に手渡す”という“手段”がハズレだったとしても、彼の信念・熱意は多くの人に届いただろう。


以上、「患者が欲しいものは、正論よりも共感」でした。


H2511月1日