リハビリテーション新聞: バリアフリーは所詮ぬるま湯

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バリアフリーは所詮ぬるま湯




通所への異動は、自分の介護士としての人生を歩む上で、とてつもなく大きな転機となった。入所においての自分は、恥ずかしながら、利用者にとっての在宅の重要性を理解していなかった。理念として語られる事が、初めて実感として理解できる。今と言う日々が、貴重な体験で満ち溢れている。


入所の設備は大変に便利である。車椅子のままでもしっかりとトイレに入れる。けれどもその便利さと言うものが、利用者にとってではなくて、実は介護士にとっての便利さなんだと実感する。いっそのこと、トイレの入り口を、車椅子が入りようもない不便なドアに改修したら良いだろう。


そうすれば、介護士は利用者を数歩でも歩行させるように知恵を絞るしかなくなるだろう。介護士が歩行訓練をすることに拒否的なリハビリ科に対しても、これは歩行訓練ではなくて、トイレ誘導であると、言い張れる。



通所では車椅子で過ごす利用者が、在宅では歩行する。この事実について、危機感を持つべきだ。自立支援を期待する顧客に対して、その送り手(自宅環境)よりも、受け取り手(通所介護施設の環境)の力が劣っていると言う事実を、真摯に受け止めなければならないのだろう。



H24年2月  筆者 旧@yuumatan 


<皆さまとの意見交換>


@pthidaka 大阪のある病院を見学させて頂いたとき、部屋のユニットバスが標準的なホテル仕様。入り口に段差、中の広さも、、 一見不便なようだが、そこでできるようになると、旅行して普通にホテルに泊まれるようになるのではと感じました。 外出先の標準的仕様というのも大切な視点かと。

@yuumatan ありがとうございます。とても刺激です。施設において、バリアフリーに守られているのは、専門職の方なんですね。

@originalmap 能力を補う為の設備・備品のみではなく、能力を引き出す為のそれらも必要ですよね。当院にも、自動水栓ばかりじゃなくて、ふつうの蛇口を。スライド式のドアばかりじゃなくて、ノブ式のものを。あえて敷居を。なんなら和式トイレも?

@yuumatan 設備が便利になりすぎることで、リハビリにおける目標がボヤけるんですね。何のために歩行が必要なのか?車椅子のままでも困ることがないゆえに、強い動機を提供できないわけです。通所リハビリテーションは、リハビリと言う領域において、在宅の環境に勝てないんです。