リハビリテーション新聞: 「オムツの中でして」って言っちゃうの?

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「オムツの中でして」って言っちゃうの?



リフトで移乗している利用者がいる。ところが、突如としてトイレに行きたいと言い出した


彼は暴力行為も酷くて、関節の可働域制限も著明なので、トイレは無理だろうと誰もが考えていたようなのだけれど、介護の係長が自分のところに来て、彼をトイレに連れていけるかと尋ねてきた。「介護士に不可能はない」 とトイレに連れて行ったら、えらく満足気な様子。暴力も一切なかった。


技術を固定しまう介護士は残念ながら多い。技術が固定しているがゆえに、その技術で賄える身体条件の外側にある利用者は、必然的にオムツになる。そうではない。技術は柔軟であるべきで、利用者の条件に合わせて、技術は選択されるべきなのだ。


固定されるべきなのは、利用者の主体性を叶えようとするその意志である。



H24年2月  筆者 旧@yuumatan 


<皆さまとの意見交換>


@elephant_pure 僕だったらへーきな顔してその場を後にし、ひとりトイレの個室に入ってガッツポーズな出来事です。超やりがい感じちゃいます

@yuumatan トイレに行くことなど想像も出来なかった利用者が、本人の主体性によってトイレで排便し、フロアを車椅子で過ごしていた利用者が、歩けるようになりたいという本人の希望によって、車椅子を撤去して、歩行機能の獲得を中心としたサービスに切り替えていく。 それまでは自主的に立ち上がり訓練をしては、危ないからとスタッフに制止されていた利用者が、実はそうした現状にひどく悩んでいることが聞き取りによって明らかになって、本人の立ち上がる意欲を阻害しないための対応に切り替えていく。利用者の個別の望みに対応したサービスが形成されていくことこそが、自分にとっての成果なのですが、それが周囲には成果として認識されない。自分の挑戦による成果は無視されて、経営陣にとっての成果だけが、次々に要求として現場に下ろされていくのです。

@elephant_pure 救われたのはappleのCM「think different」の映像でした。 「彼らはクレージーと言われるが 私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから。」の一説でした。

@yuumatan 素敵な言葉ですね。信念を押し通そうとする自らを励ますのと同時に、他者のクレイジーさを許容する自分であらねばならないと、深い反省を強いる言葉です。じわじわと強い感情が溢れてきますね。日常において非難にさらされる。けれども、その生き方を、歴史が肯定してくれる。ナイチンゲールの手法や方法論は古びていても、その心は、新鮮な感動を与えるだろう。それぞれの専門職は、自らの領域において、先人が歩んだ挑戦の数々に想いを馳せる必要がある。