リハビリテーション新聞: 退院後に提供されるサービスに頭を悩ませているセラピスト

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退院後に提供されるサービスに頭を悩ませているセラピスト




図面があってこそ、建築家の技術が光る。図面を描くことを忘れて、材料置き場でパーツを寄せ集めても、建築には繋がらない。けれども、医療や介護の現場では、寄せ集めのパーツで競い合う風潮が横行している。そうではないはずだ。達成されるべき絵はなんだ。改めて私たちの理想を問い正そう。


回復期の優秀なセラピストと協議をした。退院後に提供されるべきサービスに頭を悩ませている。どこでも悩みの種は同じだ。対策は2点ある。ひとつは専門職がそれらのスキルを洗練させること。けれどもそれだけでは足りない。クライエントと家族が、サービスを自己選択できる環境をデザインすることだ。


退院後の社会資源を網羅した情報の一覧を配置して、クライエントと家族が自己選択できる環境をデザインすること。ソーシャルワーカーはそれらの自己決定におけるアドバイザーになることで、業務負担も軽減できる。浮いた労力で、退院後に必要とされるサービス事業所と、早期での調整と連携を図る。


回復期の入院中に、クライエントと家族に社会資源についてのスキルを高めることは、たんに業務効率上の問題だけではない。それは自らの望みを把握して、それらを具現化するためのサービスを自己決定する判断能力を強化することは、福祉という業界全体の理想であるはずだからだ。


ルーチン化されたケアを提供すれば、他のスタッフの目線をかわして、それなりのケアを展開しているように見える。そうした消極的な姿勢が蔓延すると、それらの枠線からはみ出したクライアントを責める文化が許容されるようになる。アナタが否定しているのは、クライエントではなく、自らの可能性だ。



平成25年11月24日
筆者 @arigatou0321