リハビリテーション新聞: リハビリテーション職は潰しが効かないのか

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リハビリテーション職は潰しが効かないのか




リハビリテーション業界の方や、学生から、「この仕事は潰しが効かない」 という声を、聞くことがある。そんなことはない。リハビリテーション職の問題解決能力は、すばらしい。そんな話をする。


リハビリテーションの仕事というものは、問題の解決を繰り返す。対象者がさまざまな形で表現する困りごとを、上手く整理し、見事に問題解決手段(ソリューション)を提供する。日常のささいな不便を、機能改善・環境整備・代償・委託などにより解決する。


状況が複雑すぎて、問題が見えづらいことは多い。そういった状況でも、さまざまな事実、情報を収集し、具体的な解決案を見つけ出し、その効果の検証・修正まで行うことが大切になる。毎日が、問題を解決するための仮説検証の繰り返しだ。


そのような、素晴らしい毎日を送っているのであれば、「この仕事は潰しが効かない」 と、嘆く必要はない。これは、ものすごいキャリアだ。 コンサルタント業界でも通用する問題解決能力を、手にしていることを意味する。リハビリテーション業界でちゃんとやっていれば、他の業界でも通用するのだ。


しかし、残念な方もいる。中でも、一番多いのが、情報を収集するだけで終わってしまい、問題解決手段(ソリューション)を提供してくれない方だ。口癖としては、「ダブルニーアクションの消失とローリングレスポンスの遅れ」、「骨盤底筋が働かない」、「環境が認知行動療法と行動療法の区別を邪魔する」 など、専門用語を列挙した能書きを垂れる。周囲は、「だから何?どうすればいい?」と思ってしまう。


情報を並べるだけでは、患者・他職種は、価値を感じないだろう。それどころか、胡散臭いと感じられるかもしれない。私の学生時代の実習レポートや、新人の頃の発言にも、まさにこの問題があった。評価の為の評価をしていたということだ。


評価は、問題を解決するためにある。さまざまな事実と情報から、どうすべきか具体的な案を見つけ出し、その検証・修正まで行うことが大切なのだ。


学生や社会人1年目には難しいかもしれないが、リハビリテーションの仕事をまじめにやっていれば、このような問題解決プロセスを反復することになる。それが、リハビリテーション職を、市場価値の高いコンサルティングに成長させていく。


問題がある所に市場あり。すなわち、仕事が生まれる。対象者がさまざまな形で表現する困りごとを、上手く整理し、見事に問題解決手段(ソリューション)を提供してみせよう。


平成27年1月8日
筆者 Masaki Kimura