リハビリテーション新聞: リハビリテーションよりもケアの持つ偉大さを垣間見た瞬間

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リハビリテーションよりもケアの持つ偉大さを垣間見た瞬間



病院で身体拘束をされていた利用者が入所された。帰宅願望が強くて、転倒リスクも高い。スタッフが懸命に付き添うも、ドアを壊そうとシルバーカーをガツンと押し当てる。


夜中の3時にはすでに起床して、同様の行為の繰り返し。ステーション内で話しを聴くが、起こしの時間になり、個別では付き添えない…


夕方の彼女が、壁に掲示された折り紙を、興味深そうに眺めていた姿をスタッフは見逃さなかった。すぐに折り紙を手渡すと、彼女は夢中で作業に没頭する


別の利用者がフロアに訪れては、作業への参加を促して、次第に輪が広がっている。折り紙に飽きては皆で唄を歌ったり、主体的な活動が生まれている


朝食の時間になり、彼女は笑顔で食事を召し上がる。『ここの職員さんは素晴らしい仕事をしている』と、賛辞の声が彼女から聴こえてくる。


リハビリテーションよりも、ケアの持つ偉大さを垣間見た瞬間だ。


利用者の輪が広がって、利用者が主体的に数々の活動を生み出していく。早朝からの大規模なレクリエーションを、僕はこれまでに見たことがなかった。


困難事例と煙たがることなかれ。彼女こそが、これまでに味わったことのない喜ばしい前例を、僕たちに提示してくれるのだ。


平成27年2月19日
寄稿者  @HarumaDream