リハビリテーション新聞: このチェックリストに10個以上当てはまれば ”入院患者の退院後の生活に向き合っている誠意あるリハビリテーション職” 「退院支援がわかるひと」と讃えたい

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このチェックリストに10個以上当てはまれば ”入院患者の退院後の生活に向き合っている誠意あるリハビリテーション職” 「退院支援がわかるひと」と讃えたい




ある日、突然、病院が、入院患者や家族に伝える。「退院して下さい」 入院患者は、不安でいっぱいだ。


「生活はなりたつのだろうか・・・」

「薬の管理ができない」

「玄関先に階段があるからゴミ出しができないかもしれない」


それでも事情を察し、退院する。そして、入院患者は「追い出された」と感じる。案の定、退院後の生活では、問題が起こる。よくあるはなしだ。


 この問題に対して、リハビリテーション職として向き合えないだろうか。 理学療法士は理学療法して、作業療法士は作業療法をすればよいのだろうか。 今回はそんな話をする。


まず、この問題が起きる原因として、多くのことが考えられる。代表的なものは、業界全体のプロセスや、医療介護連携、院内連携の継ぎ目などだ。 


これらの、システムの不備そのものや、問題を感じていない業界人に、攻撃的な指摘・問いかけをすることはある。ただ、業界全体が未成熟がゆえ、キリがない。


この先、大規模なシステムの統合がない限り、「改善されない」と考える。



そこで、もっと身近で、建設的なことを述べる。 問題を、自分でコントロールしにくい部分に、責任転嫁するまえに、自身の「リハビリテーション職としての在り方」はどうなのか。


目の前の患者が、退院前に「玄関先に階段があるからゴミ出しができないかもしれない」 と、不安に感じている。 この不安を洗い出せないまま、一般的な評価指標(痛み、関節可動域、手指の分離運動など)を、90点から100点にするために、神経をすり減らしていて良いのだろうか。


良いわけがない。 我々、理学療法士、作業療法士は、リハビリテーションを提供すべきであり、理学療法や作業療法の提供に、固執すべきではない。 



ここにチェックリストをあげる。 10個以上当てはまれば ”入院患者の退院後の生活に向き合っている、誠意あるリハビリテーション職” 「退院支援がわかるひと」と讃えたい。


 □ 1.患者の毎日、毎週、毎月、毎年の生活リズムを評価する。

 □ 2.退院後におきた問題から、初期評価の項目の見直しをしたことがある。

 □ 3.患者に「そこまで聞くんですか!?」と言われたことがある。

 □ 4.家屋調査(退院前訪問指導)で破綻した生活を目の当たりにしたことがある。理学療法士の家屋改修のポイント。

 □ 5.退院前に患者の「できること・できないこと・補うこと」が明確になっている。

 □ 6.退院後に自分の提案したプランが、破綻したことがある。

 □ 7.退院後に他職種から「それ、きいてないですよ!」と怒られたことがある。

 □ 8.退院後のモニタリングで自分の提案したプランの修正をしたことがある。

 □ 9.退院後にポータブルトイレなどの福祉用具の位置をmm単位で調整したことがある。

 □ 10.退院後の過剰な介護サービスの打ち切りを提案したことがある。

 □ 11.自分の名前を知っているケアマネージャーが10人以上いる。

 □ 12.自分の名前を知っている福祉用具の業者が10人以上いる。

 □ 13.他事業所へ、毎週10回以上の問い合わせ連絡をしている。

 □ 14.退院後の生活にむけて病棟ADL(移動方法など)設定をしている。

 □ 15.患者への説明として「自宅生活が成り立つようにいろいろと手配が終わりました。残った問題は退院後にゆっくりやっていきましょう」との旨の説明をしたことがある。








平成27年9月6日
筆者 Masaki Kimura