リハビリテーション新聞: 活動・参加レベルをデザインすることで 機能レベルへの介入を 随分と減らすことができる

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活動・参加レベルをデザインすることで 機能レベルへの介入を 随分と減らすことができる



高齢者は、自宅や、施設での ”生活” で 、様々な活動をしています。



それは、自治会活動、ペットの世話、畑の管理、フロ掃除などです。 



しかし、”生活”の場から離れ、”治療”の場に入った途端、多くの活動は、プツッと途切れます。



入院前に座って過ごしていた方は、寝て過ごすことになります。



そして、治療中や治療終了後に、廃用性症候群が、起こります。



このことは、容易に想像できると思います。




さぁ、「廃用性症候群を予防するために何をしますか?」





① 機能訓練
 (筋骨格、循環器、脳神経系、呼吸器への刺激など)

② 活動設定
 (ADL設定、環境設定、役割設定、行事企画、コミュニティづくりなど)

③ 参加促進
 (日常生活・社会生活の関与する意思・意欲を高める関わり )





「①~③まで全部、大切だ!」 
「①~③までバランスよく介入すべき」
「状況によってかわる」



その通りだと思います。



でも、実際には、① ばかりをやっているセラピスト・業界人が多いことを、私は知っています。



役場が主催する、閉じこもり老人に対するの介護予防のための啓発活動だって、ほとんどが①です。 そして、参加者が少なすぎて、何度も ”サクラ” の高齢者を仕込んだことを、私は知っています。 継続性のない、その場限りで終わってしまう体操に、価値を感じる人は少ないでしょう。



この状況に対して、「これだから役人は・・・」、「やっつけ仕事をしているんじゃない?」、「素人だなぁ」  と、セラピストが言います。


私は、そのセラピストに、「どの口が言っている?」 と、突っ込んでおきます。


役人を批判するセラピストにも、ツッコミどころが多いことを、3例あげて終わろうと思います。




例1 : 肺炎や痰の問題に対して ①機能訓練 (呼吸器への介入)
 
原因はなに? 一番有力な仮説は、臥位? それなら ②活動設定 (座位での活動や座位保持のための環境づくりなど) をすべきだよ。1つの目の手段がダメなら次の戦略を立てなよ。 手段は無限にある。それを怠って、いつまで、①機能訓練 (呼吸器への介入) をつづけるつもりなのさ?



例2 : 股関節・足首への拘縮進行の問題対して ①機能訓練 (筋骨格への介入)

原因はなに? 一番有力な仮説は、姿勢反射や臥位姿勢? それなら  ②活動設定 (姿勢反射の抑制姿勢、股関節や足首の関節可動域が維持・拡大できるポジショニングや活動設定、環境づくりなど) をすべきだよ。 いつまで、①機能訓練 (筋骨格への介入) をつづけるつもりなのさ? だれかいなきゃ、拘縮が進行するの? そうやって、仕事を確保しつづけるの? 



例3 : 食事でのムセ・誤嚥性肺炎の問題対して ①機能訓練 (嚥下)
原因はなに? 一番有力な仮説は、姿勢? それなら ②活動設定 (それなら嚥下造影後の食事姿勢・リクライニング角度の設定など)をしなよ。  あ?だめだった? 次の仮説は、覚醒レベル? それなら ②活動設定 (食前行事の習慣化や昼夜逆転の改善など) をすべきだよ。 いつまで、①機能訓練 (嚥下)を提供しつづけるのさ。 それって本当にリハビリテーション?





最後に、まとめます。


活動・参加レベルをデザインすることで、機能レベルへの介入を、随分と減らすことができます。ただし、その後のモニタリング・修正は必要です。


もしよかったら、活動・参加レベルをデザインしてみてください。



平成27年9月19日
筆者 Masaki Kimura