リハビリテーション新聞: 中堅セラピストたちが語った セラピストが”変人”あつかいされてしまう一方通行な他職種連携 ”イタイ問題提起”

ページ

中堅セラピストたちが語った セラピストが”変人”あつかいされてしまう一方通行な他職種連携 ”イタイ問題提起”



今回は、とある ”中堅セラピスト” が昼休憩に語った内容。




A「セラピストって、変人が多いよね」



B「はい。とってもわかります。Aさんは、どこをみて変人だと思いますか?」



A「アタマが硬くて、柔軟性がないところかな。仮説を取り消さなかったり、わからないことを『わからない』と言えないところ」 



B「ああ!わかります。そうですよね。『仮説を取り消さない』のはよくありますね。例えば、問題に対して、何かしらの対策をとったときに、その対策が、ハズレだったとしても、専門用語で言い訳をしてしまう場面ですね」 



A「まさに。それが、セラピストから、現場への押しつけの対策だった場合、一発で信用を無くすよね。”変人”の烙印がおされちゃう」 



B「そうですね。提案するのはセラピスト。実行するのは現場。他職種連携は、とても繊細ですよね。そこを理解していないセラピストが多いと思います」






A「それそれ!! セラピストの”大先生”の対策に、現場は困っているよ。現場になじまない対策が多すぎる。特に、若手セラピストの能書きを、黙って聞いてあげている現場は、オトナだねぇ」







B「そういうセラピストって、ハダカの王様ですね」



AB「変人・・・」







B「そこでですね。ひとりよがりな仕事をするのではなく、チームとして問題解決に取り組むべきです」



A「どういうこと?」



B「そもそもの話なのですが、”正しい問いの立て方” というのが、すごく大切です。セラピストしか認識できないような問題に、セラピストだけで取り組み、セラピストが対策を提案しますね。これが間違いのもとなんです。こんなことでは、ひとりよがりになってしまいます」



A「ああ!よくある話だね~!」



B「セラピストって、自分が評価した結果や、仮説を、おおっぴらに発信しすぎなんですよ。本来、聞かれたら、答えればよいだけなんですけどね」



A「関節可動域が・・・認知が・・・記銘力が・・・将来的に痛みがでるかもしれない・・・亜脱臼が・・・筋緊張が・・・姿勢反射が・・・安楽肢位は・・・転倒リスクが・・・排痰のために・・・褥創予防のために・・・」



B「それです。確かに、評価の結果、言えることは沢山あります。しかし、他の関係者が、問題に感じていないコトを、いきなり”問題”として扱うのですから、それは”イタイ問題提起”ですよ。 それなのに、問題への対策をエラそうに発信してしまう。 そして、対策は、現場になじまないのです。 あげく・・・現場からの ”なじまなかった”というフィードバックには、言い訳をしますからね・・・



A「あ~! さっき、言ったね。 アタマが硬くて、柔軟性がない。仮説を取り消さない。わからないことを『わからない』と言えない。そういうことだよね」



B「そうですね」



A「ホント、他職種連携って繊細だな」



B「セラピストがひとりよがりな仕事をせず、チームとして問題に取り組みたいならば、セラピストは、本人・現場を中心とした関係者が、問題として感じていることにソリューション(問題解決)を提供すべきですね」



A「ああ。とってもイイと思う。いま思うと、自然とそうしているな。 例えば、セラピストしか感じていない問題に、どうしても介入したいときってあるよね。 そういう時は、関係者が問題として扱うように、徐々に盛り上げてから、介入しているな」



B「私もです。しかも、そこからが大事なんですよ。 その問題への対策は、セラピストが定めてはダメなんですよ。 対策は、関係者と協議を通して、定めるべきです。セラピストは、あくまでもコーディネーターです。 協議のなかで、関係者が、対策を思いつけばを実行。その対策のモニタリング・修正はみんなでします。仮に、対策案を求められて、なにか提示をしたとしても、その対策のモニタリング・修正はみんなでします



A「ああ。セラピストの評価・仮説検証スキルや、様々な知識が役立つね! それに、とっても、有機的な連携だなぁ。 今思うと、上手くいっている他職種連携って、そういう感じだな」



B「まさに。有機的な連携をすれば、チームが学べます」



A「一方通行な他職種連携は、ただの丸投げだね」




このような会話をして、とある ”中堅セラピスト”の昼休憩は終わった。 


平成27年9月22日
筆者 Masaki Kimura