リハビリテーション新聞: 「なんちゃってリハ」をちゃんとした「リハビリテーション」にするための思考プロセス

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「なんちゃってリハ」をちゃんとした「リハビリテーション」にするための思考プロセス



理学療法士・作業療法士の皆さま。患者・利用者から「肩が痛い」「膝が動きにくい」などの相談があったとき、いきなりベッドに寝かせて、なんちゃってリハをしていませんか?



私は、新人のころ、やっていました。 患者・利用者を寝かせて  「ああ、ここ硬いですね。ここですか?」などと愚問。 そして、モミモミしたり、かけ声にあわせて代償動作バリバリの筋トレをさせていたのです。 しかも、それを、数か月にわたり、漫然と繰り返していました。 



ハウツーの研修会にいったあとは、しばらく、そのハウツーに凝ったりもしました。 しかし、すぐに飽きて、別の研修会に参加しました。その繰り返しです。



こんな介入をしていて、良くなるわけがありませんね。良くなったとしても、自然治癒力が大部分を占めますし、再発することでしょう。それでも、大義名分「現状維持!廃用性症候群の予防!」 に自己有用感を感じていたのですから、はずかしい話です。



そういえば、約10年前、厚生労働省が、漫然としたリハビリテーションを規制しました。結果、「リハビリ難民」という言葉が流行りましたが、それだけ、生産性のないリハビリテーションが、蔓延していたと思っています。



その頃の学会発表をみても、「モミモミや筋トレの方法論」が非常に多いです。それ自体は、悪いことではありません。問題は、新人の療法士がそれを目にしても、うまく活用できないことです。私もその一人です。



方法論を話題にすべきときは、問題解決プロセス(問題と仮説の設定・検証方法・EBM・アウトカム評価事業など)の共通認識があるときであり、非常に高次な段階です。 問題解決プロセスが破綻したまま、方法論を語っても、小手先の装飾する療法士が、増えるばかりです



さて、今回は、ここまで、漫然としたリハビリテーションを批判してきました。ここで、これまでの批判にピッタリな、よく耳にするフレーズを紹介しようと思います。



先生ごっこ」

専門用語ばかり使う」

「質問したことと違う返事

能書きばかり垂れる」

だらだらリハ」

「何をしているかわからない

「毎回おなじことばかりやっている」

変人が多い」


・・・。言われて当然ですね。






話を戻します。
 療法
士の皆さま。患者・利用者から「肩が痛い」「膝が動きにくい」などの相談があったとき、いきなりベッドに寝かせて、なんちゃってリハをしていませんか?


私は、こんな返事を期待しています。


「そんなわけないでしょ!まずは、問診をしなきゃ。目の前で、活動制限を確認、あるいは再現してもらうための問診からすべきだよ」


「そして、ICFの表をにらめっこしながら、活動制限の原因と、活動制限の解決手段について、評価・仮説・検証の高速で反復すべきだ」


「さまざまな手段(機能改善・代償・環境因子改善)を講じても、活動制限が解決しないならば、力不足を痛感しながら、ふりだしに戻る。そしてまた別の仮説を検証する。その繰り返しさ」


これなら、「なんちゃってリハ」なんていいません。


平成27年9月6日
筆者 Masaki Kimura