リハビリテーション新聞: 「エンパワメント」この業界のキーワードらしいけど それってなにさ ~20歳のバイトの残念な発言より学べる事~

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「エンパワメント」この業界のキーワードらしいけど それってなにさ ~20歳のバイトの残念な発言より学べる事~



私の後輩に、飲食店でアルバイトをしている20歳の大学生がいる。
彼が言った。

 
「ホール仕事は、店長より、俺のほうが上手ですよ」


店長よりも、俺のほうが仕事ができるっス」



ん~。残念な発言だ。


オペレーションは、誰にでもできるように落とし込んだ、ただの作業でしかない。


良い仕事ができているのは、その作業をデザインした者である。



店長にペコペコしろとは思わないが、店長は機能している。
部下に仕事を任せ、主体性と自信をもって働いてもらっている。
自分が不在でも現場が回る ことだろう。







これを エンパワメント(権限委譲)という。









これ、医療・介護・福祉の分野では、キーワードだ。







自分がいなければ、患者のリハビリテーションがすすまないリハビリテーション職はまずい。
自分がいない ときも、患者のリハビリテーションがすすむよう介入すべきである。



さらっと言ったが、これは、重要だ。
今回は1例だけ述べる。




患者・利用者になにかしら提供して、その後ベッドで寝てるようではだめだ。
患者・利用者には、生活のなかでできることを実行してもらうだけでいい。


例えば、「階段があがりにくい」という生活の問題を解決する手段として、ふくらはぎの筋肉を鍛えたいとする。 




<A エンパワメント(権限委譲) できていない例>
かかと上げの運動を30回×5セット
そのとき、患者・利用者のふくらはぎを触診する
もちろん膝を床について、ひたいからは汗を流す
患者・利用者は言う 「ふ~ 今日もがんばったな~」
それを、何日も繰り返す。
はたからみると、すんごい働いているように見える





<B エンパワメント(権限委譲) できている例>
歩幅を5cm広げてもらう。
患者・利用者と一緒に、ふくらはぎに力が入ることを確認する。
そのまま宿題にしてサヨウナラ
後日、筋力検査。 生活の問題の解決の判定。
解決にいたらなければ、宿題の負荷量を調整。
はたからみると、会話をして、歩いているだけ






おわかりだろうか。
エンパワメント(権限委譲)すごい。

業界のキーワードであり、子育・スポーツにも通ずる。

これに気が付かないのなら、”20歳のバイト” と 同レベルだ。



平成27年11月3日
筆者 Masaki Kimura