リハビリテーション新聞: 一人前に仕事ができはじめた新人さんが やらかしがちな 失敗 ~ひとりで突っ走る~

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一人前に仕事ができはじめた新人さんが やらかしがちな 失敗 ~ひとりで突っ走る~



10月末。すっかり寒くなりましたね。 


さて、新人職員さんは、4月から、半年間が経ちましたね。


や ら か し て い ま せ ん か ?




私の経験上、仕事に慣れ始めて ”イタ~イ問題提起” を はじめちゃう頃なんです。



先日、起きたことを話します。


ある新人介護士(20歳)が、主任介護士に言います。


新人 「 利用者Aさん。ベッド ⇔ 車いす のトランスファーは、リフト機を使わなくてもいいじゃないですか? 時間のムダですよ。 私、ひとりで抱えて、トランスファーできますよ



主任 「そうは言ってもね~。腰を痛めるわよ」



新人 「大丈夫です! 自信があります!!!」



主任 「そっかぁ。ん~。 あなたしかできない支援を提供してしまうと、いろいろ問題があるの。 私たちはチームとして、サービスを提供するの。あなただけが、特別な支援をしてしまうと、利用者は、『あのひとはやってくれるのに・・・』 ということになる。 それを、上手にかわせばいいんだけどね・・・」



新人 「大丈夫です!!」




主任 「そっかぁ。じゃあ、担当の理学療法士さんに相談してみましょうかね」




いかがでしょうか。 
一人前に仕事ができはじめた新人に、ありがちな行動 ですね。



言われた仕事をこなすだけでなく、問題提起ができることは、素晴らしいこと です。




しかし、今回の内容では ”問題行動” です。 なぜなら、この状況は、 解く価値のない問題と向き合い、ひとりよがりな仕事をしているからです。





実際に、問題が起きています。
介護チームの他メンバーから、意見をきいてみると・・・。






「若さで突っ走るのもいいけど・・・。すぐ潰れる。半年もつのかな」





「そりゃ、私たちだって、一人で移乗介助できるわよ。やらないのはリスクがあるため」


「他メンバーを侮辱している」



努力の焦点を間違っている」






「抱え上げをしない支援(ノーリフトケア)や、ケアの統一に逆行している」








「利用者から訴えはでていない。自分の思い付きで仕事をしている」








最悪ですね。 味方がいません。




原因は、問題解決のプロセスをわかっていないことです。


いろいろとありますが、この新人のレベルで、要求したいものは、以下3つです



1.自分のおもいではなく、利用者のおもいを優先すべき。



2・手段 (1人介助) を訴えるのではなく、問題(リフト機の手間) を訴えるべきです。 論ずるべきは 「一人で介助できるかできないか」 ではなく、問題(リフト機の手間) の解決方法です。 上司に問題を訴えれば、上司がチームの協議の場を、設けてくれることでしょう。チームで問題を共有しなければ、話がはじまりません。 チームでの協議が終わったとき、”自分の”手段” なんて、小手先であること、気が付きます。



3.提案した手段が否定されたら、引き下がるべきです。チームとして動いているのに、自分だけ特別なものを提供してはいけません。もし、なにかが起こったとき、誰も守ってくれません。逆風が吹きはじめると疲弊して、早々に潰れることになります。





で、この案件。 結局どうなったかといいますと。


問題を洗い出すと 「リフト機が使いにくい位置にベッドがある。そのため、①移乗に時間がかかる。②利用者を待たせてしまい、利用者が大声をあげてしまう。③他の利用者とのコミュニケーションを阻害してしまう」  とのことでした。



チーム協議を通して、問題が定まったら、話が早いです
仮説(ベッドの位置の改善)を、みんなで検証するだけです。
案の定、①~③は解決しました。






新人さん。今は、この繊細なチームの作りや、問題解決プロセスがわからなくてもいいと思います。  ただ、ひとりで突っ走って、潰れて欲しくありません


単なる ”一人前の仕事” では、チームは動かない のです。


平成27年11月3日
筆者 Masaki Kimura