リハビリテーション新聞: なにげないテレビCMに リハビリテーションマインドを感じてしまった

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なにげないテレビCMに リハビリテーションマインドを感じてしまった


画像引用元 メーカーHP

平日の夜。テレビをみていると、とっても、リハビリテーションなCMが、流れました。 




パナソニックの掃除機で、重さが2kg、紙パック掃除機で、世界最軽量です。
年配の女性が、その掃除機を持って、軽やかに階段を駆け上がります。

そして、キメ台詞です。


「 生活を見つめてつくりました。パナソニック  Jコンセプト 」 


このCMをみて、「あ、コレ、ICFだなぁ」と思いました。


環境因子が、重たい掃除機。
活動制限が、二階の掃除。


この活動制限の、解決手段として、軽い掃除機。  他にも手っ取り早い解決手段があると、ツッコミたくなりますが、この売り方は、素直に、いい売り方だと思います。



ユーザーの抱えている問題は、マシンの性能ではなく、活動制限なのです。求めているものは、活動制限を解決するためのデザインなのです。



軽いことは、いいことです。運搬も収納も楽になります。
紙パックであることはいいことです。メンテナンスが楽なのです。
紙パック型しか扱えない人もいるくらいです。




それなのに、多くのメーカーは、掃除機の吸引力や、ヘッドの動きを強調して売り出てしまいます。ユーザーは置き去り です。



ユーザーからしてみれば、そんなものを強調されても、わけがわかりません。わたし自身、吸引力に不足を感じたことはありません。



これは、リハビリテーションの現場でも、起こります。ICFに基づかないリハビリテーションは、往々にして生活に向き合えていません



可動域制限があるから、可動域を拡大するのですか? 痛みがあるから、除痛をするのですか? 動かないから、動くようにするのですか? それが問題解決につながるのですか? 本当ですか? しかも、それを90点から、100点になるように、執着するのですか?



目の前のクライアントは、そんなものを求めていません。



イスから立ち上がりにくい、買い物にいけない、ベッドで寝返りがやりにくいなど、生活の問題を抱えています。その解決手段として、可動域改善や、除痛があるのです。手段を目的にしてはいけません。



リハビリテーションマインドがあれば、理解できることです。



掃除機の吸引力やヘッドの動きで、生活は変わりません。もう吸引力90点の掃除機を持っているのです。  いま問題としていることは、重さが赤点(20点)のせいで、掃除機を運搬ができないことなのです。


生活を見つめましょう。
それがリハビリテーションです。




平成27年12月7日
筆者 Masaki Kimura