リハビリテーション新聞: サウナで語る 人間作業モデルや生活行為向上リハビリテーション

ページ

サウナで語る 人間作業モデルや生活行為向上リハビリテーション




週末のサウナ。Aさんが(30歳男性)、友人(理学療法士)に問う。
 「オレ、そろそろ結婚したいんだ
 「でも痩せないんだよね。 食事や運動に気を使っているんだけどな」
 「どうして、君は、毎晩、御馳走を食べて、お酒を飲んでいるのに太らないの?」


友人
 「え。マジで答えていいですか?長いですよ」


Aさん
 「お!いいね。聞きたい。」


友人
 「Aさんは運動をしているんですか?」


Aさん
 「毎晩5km走っているよ。食事も豆乳とか飲んでる」


友人
 「通勤中や仕事中は何か意識していますか?」


Aさん
 「いや。別に」


友人
 「あ~そこです。 モッタイナイですね~。北極にいながら冷凍庫を買っているようなものですよ」


Aさん
 「はいっ!?」


友人
 「ムダだらけなんですよ。 Aさんは、通勤中に階段を避けてエスカレーターを使っておきながら、大事な時間を使って運動しているんですよ」


Aさん
 「いや。だってさ、通勤だよ? エスカレーター使うでしょ!」


友人
 「私なら、運動の時間なんて、いちいち確保しません。歩くとき、座るとき、寝るとき。全部を利用しちゃいます」


Aさん
 「は?そんなことで痩せるわけないでしょ」


友人
 「歩くときに歩幅を10cm広げたら良いのです。座るときに背筋を伸ばせば良いのです。寝るときに、深呼吸をしながら寝ればよいのです」


Aさん
 「あ~なるほど。たしかに、いいかも。それだけでいいの?」


友人
 「いえ。いま、簡単な例を述べただけです。 生活の動作を利用する話をしましたけど、この話はもっと深く広いのです」


Aさん
 「どゆことよ?」


友人
 「Aさんは通勤に電車や車を使っていますよね?」


Aさん
 「そうだけど?」


友人
 「自転車通勤やランニングの通勤にすればいいじゃないですか」



Aさん
 「おいおいおい。やめてくれよ。そんな暇人じゃないよ」


友人
 「そこです!!!!!!!」


Aさん
 「へ?」


友人
 「 『忙しい』 とおっしゃいますが、何がそんなに忙しいのですか?」


Aさん
 「 仕事だよ! それに毎晩走ったり、朝ギリギリまで寝たり。 副業のバイトもあるし、趣味はスマホでゲームだし。土日は、人づきあいとかもね 」


友人
 「あ”~。突っ込みどころが多すぎて、どこから話したらいいのか迷っちゃいます」


Aさん
 「ひどいな~。俺も君みたいに結婚して、家庭を持ちたいんだよ。 自分磨きを頑張っているつもりなんだけどな」


友人
 「すいません。 でもAさんは、典型的な ”だめリハビリテーション” ですよ。 たとえ話をしますね。 ある寝たきり高齢女性のリハビリの時間が20分だとします。 その20分に座る練習をして、終わりです。 それ以外の時間は寝ています


Aさん
 「あ~。以前、俺のおばあちゃんが入院していたとき、そんな感じのリハビリだった気がする」


友人
 「典型的な ”だめリハビリテーション” ですよ。 本来、座るためのイスや、ベッド上のクッションを準備して、一日中座ってもらうべきです。そして、その姿勢のまま、食事や、趣味活動をすべきなのです」


Aさん
 「まあね。」


友人
 「そして、専門職が関わる貴重な20分に、座る練習などしません。もっと価値のあることをします」


Aさん
 「!!!」


友人
 「かけたい負荷は、生活に馴染ませる のです。 生活になじまない負荷にこそ、マンツーマンの調整で丁寧に時間をかけて、取り組み、最終的に生活に馴染ませる


Aさん
 「え! 君。もしかして、常にそんなこと意識しながら生活してんの!?」


友人
 「もちろん。それどころか、もっと多くのことを意識していますよ」


Aさん
 「まじかよ。。。」


友人
 「Aさんで例えると、Aさんは、副業のバイトを辞めてよい。 毎晩走る必要もない。朝もギリギリまで寝る必要もない。趣味のスマホゲームも必要なし。 土日にわざわざ人付き合いをする必要もない


Aさん
 「おいおい。俺のこと全否定だな」


友人
 「副業のバイトでお金を稼いで、何をするのですか?」


Aさん
 「え。そりゃ、よりよい立地に住もうと思ってさ。家賃高いのよ。都会だからさ、ワンルームで10万円」


友人
 「毎晩どこを走っているのですか?」


Aさん
 「え。スポーツジムのランニングマシン。 会員費が月に1万円もするんだけど、よいサウナがあるのよ」


友人
 「なんで朝、ギリギリまで寝るんですか?」


Aさん
 「疲れをとるためにきまってるじゃん」


友人
 「趣味のスマホゲームは?いつどこでするのですか?」


Aさん
 「通勤列車の中や、仕事の休憩時間。あと、家で寝る前とか。暇つぶし」


友人
 「土日の人づきあいは、なぜするのですか?」


Aさん
 「そりゃ、俺にだって友達くらいおるわ! 一緒におったら面白いやろが。 それに、仕事仲間との親睦だって、深めといたほうが、ええやろが」


友人
 「わかりました。 Aさん。 Aさんのリハビリテーションメニューが決まりましたよ」


Aさん
 「なんだって!?」


友人
 「言いますね。まず。 家賃の安い郊外に引っ越しスポーツジムは解約してください。 バイトもやめてください。 趣味はスマホゲームから運動に変えてください。そして、趣味の運動を軸に、人付き合いをしてください。   具体的には、職場仲間と一緒に、自転車、もしくはランニングをしながら通勤してください。 そして、土日は丸々空きますので、価値のあること をどんどんしてください。具体的には、友人と一緒に大会に出たり、出会いのチャンスのある場に沢山出向いてください」


Aさん
 「はぁ? ぶっとんでんな」


友人
 「いえ。ただ走ったり、自転車こいだりするだけですよ。  ただ、そこに大きな意味があります。 先ほども言いましたが、かけたい負荷は、生活に馴染ませる のです。  いま、私は、Aさんの生活に馴染まない負荷を、マンツーマンで丁寧に時間をかけて、調整しているのです」


Aさん
 「え。わかるけど。え~~ まじ? 汗とかどうするの? 」


友人
 「それは工夫してください。アイデアはいくらでもあるはずです。痩せたいのでしょ? 結婚したいのでしょ? そのために、環境を変えて、仲間と走ったり、自転車こいだりするだけですよ」


Aさん
 「最初に聞いたけどさ、君って、毎晩、御馳走を食べて、お酒を飲んで、楽しそうな生活しているよね? それなのに太らなかったり、規則正しい生活ができているのは、もしかして、こういうことが基礎になっているの?」


友人
 「もちろんです。私は一石二鳥どころじゃ動きませんよ。 仕事のリハビリテーションも一緒です。一石五鳥やそれ以上をデザインして、ようやく行動します。 そして、それを足掛かりに、一石の価値をさらに拡張します」


Aさん
 「すさまじいな。 もしかして、俺との付き合いもそんなこと思いながらやってるの?」


友人
 「まあそうですが、それは他言することじゃありません」


Aさん
 「ま。まあねえ」





週末のサウナで語り合う、Aさんと友人(理学療法士)。
この後、この話題は、さらに深く、広くなっていく。





これは、とてもリハビリテーションな話
特に作業療法士さんが得意な、以下のような話。

 ・ 人間作業モデルMOHO)
 ・ カナダ作業遂行モデル(CMOP)
 ・ 生活行為向上リハビリテーション
画像引用元: 日本作業療法士協会 配布資料より



今日はここまで。



平成28年9月28日
筆者 Masaki Kimura