リハビリテーション新聞: 茶道とリハビリテーションはすべてに通ず

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茶道とリハビリテーションはすべてに通ず


画像引用 https://pixabay.com/



皆さまは、「リハビリテーションって生活にかかわるから、ほとんど全てのことにかかわるよね」 なんて、思ったことは、ありませんか? 私はあります。 今回、斬新の切り口で、このことが腑に落ちた経験をしました。ここに紹介したいと思います。





先日、私は、出張先の名古屋で、味噌カツを頂いておりました。
駅前にある、薄暗く、格子の装飾がオシャレなお店です。
その席で、某社会福祉法人の会長さんと、趣味の話しをしていました。


その趣味の話しが、発展して、話し込んだことがあります。
それは、「茶道はすべてに通ず」 というものです。





それでは、はじまり。はじまり。



茶道では茶をのむ ただそれだけ





会長 「私は千利休のように多趣味ですよ」




私 「どういうことですか?」




会長 「茶道というものは、ただ湯を沸かし、茶をたてて、飲むだけなのです




私 「はい。それが多趣味と関係があるのですか?」




会長 「関係ありますよ」




私 「ええ!どういうことですか?すごく気になります」




会長 「ただ湯を沸かし、茶をたてて、飲むだけなのです。 でも、敵味方、老若男女、関係なく、茶の席を、最高のものにしようと思ったら、奥が深いと思いませんか?」




私  「はい。時・所・場所、相手に合わせて、すべきことが沢山ありそうですね」




会長 「その通りです!まさに、一期一会。 この一期一会という言葉も、茶道から生まれたのです」 


私 「なるほど。すべての茶の席が、一生に一度のことであり、大切にすべきということですか」 




会長 「はい」




私 「それで、茶道と、多趣味との関係が、わからなのですが・・・」




茶道が多趣味になる理由




会長 「そうでしたね。茶室というものは ”離れ” にあるのです。つまり、相手に、庭を通ってもらいたいのです。庭には、石や植物がありますよね。そうなると、庭の石や植物は最高のものを置いておくことになります。茶道を極めようと思ったら、石にも詳しくならなければならないのです





私 「なるほど・・・」





会長 「さらに、茶室の床の間にある、掛け軸と、植物。その都度、最適なものを選ばなければなりません。掛け軸は、絵を選ぶこともありますし、書を選ぶこともあります。 植物は、生け花を選ぶこともありますし、盆栽を選ぶこともあります」





私 「なるほど・・・多趣味とはそのようなことですね」





会長 「まだあるのですよ。 お茶なのですから、器もいりますよね。器の大きさ、色。その都度、最適なものを選ばなければなりません





私 「!!おっしゃる通り、茶道には、いろいろ含まれますね!!」




会長 「そうなのですよ。茶道には、造園、華道、盆栽、書道、絵画、陶芸など、ありとあらゆるものが含まれます




私 「目からウロコです!」




会長 「ははは。ありがとうございます。 もっとあるのだけど、言ってもいいですかね」




私 「はい。お聞きしたいです」



茶道には”おもてなし”を含む




会長 「お客様を離れの茶室に案内する。これは、すごく難しいことなのです」





私 「えええ。どうしてですか」





会長 「お客様に合わせて、庭・茶室を整えたとしますよ。でも、お客様を、離れの茶室に案内するときに、お客様が雨で濡れてしまったら、それで、茶の席が台無し なのですよ」



私 「・・・。あの、わかってきました。 茶道の底知れぬ奥深さを・・・」




会長 「さすがですね。理解が早い。 自分自身が客になったとき、急な雨が降ってきたとき、雨具がサッとでてきたら、どう思いますか?」




私 「おもてなしを感じます。とても、大切にされている気分になりますし、良い時間が過ごせると思います」




会長 「そうなのですよ。このように、一見当たり前だと思うことが、いつでもできる。そのための準備や心配りができたら、大したものですよ」




私 「はい。耳が痛いです・・・」





会長 「ははは。準備と心配り。いろいろな仕事の場面が浮かびますよね。私も、お客様をおもてなしするときに、意識していることです。









私 「勉強になります。あたり前なことこそ、難しいですね」






茶道における”おもてなし”の深さ






会長 「そうです。だからこそ、茶道を極めれば、豊臣秀吉さえも、感銘させることができるのですよ」





私 「はい。千利休といえば、茶道を通じて、大きな影響力を持っていたみたいですね。 今回の話しをお聞きするまで、その理由を真に理解していなかったのですが、今、理解できたと思います」




会長 「 千利休は、豊臣秀吉を離れの茶室に案内するとき、庭木をすべて切った のです。 豊臣秀吉が、不思議がって、茶室に入ると、床の間に ”一輪の朝顔” 。豊臣秀吉は感激したといいます。これこそ、千利休が意識していた ”詫び寂び(わびさび)” であり、極限まで要素を削ぐことによって得られる”美”なのです」





私 「・・・会長。わたくし、茶道を理解できたといいましたが、まだまだでした。。。茶道って、本当に難しいですね・・・」





会長 「はい。”茶道” や ”侘び寂び” を説明するのは、難しいことです。 茶道とは、おもてなしの心そのもの です。 一杯の茶を差し上げる。ただそれだけのことであり、また、それを含んだ全てのことなのです。  だからと言って、いろいろと詰め込むわけではありません。 その茶の席に、必要でないものを全て削ぎ落とす のです。 そこに残る清らかな美しさ、それが侘び寂びなのです」




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出張先の名古屋で、某社会福祉法人の会長さんと話し込んだことです。
昼食の席で、名古屋名物の味噌カツを頂きながら、大きな感銘を受けました。
これも、会長さんの ”おもてなし” だったと感じています。








茶室がないところにも、茶道が活きますね。

ビジネスマンには、茶道がピッタリだと思いました。



リハビリテーションの広さ深さも負けてない!



さて、冒頭に、「リハビリテーションって生活にかかわるから、ほとんど全てのことにかかわるよね」  なんて、思ったことはありませんか? と問わせてもらいました。 今回の話しは、これを、斬新の切り口で、説明していると思うのです。







例えば・・・

・食事を改善するためにすべきことは?
・自宅退院をするためにすべきことは?
・寝たきりのひとが選挙に参加するためにすべきことは?



千利休のように、周囲環境の調整、段取り、相手に合わせた対応を考えればよいですね。
まさにICF。そしてリハビリテーションだと思います。



「リハビリテーションって生活にかかわるから、ほとんど全てのことにかかわるよね」 と思っているくらいですから、すべきことは沢山あります。




もしよかったら、考えてみてください。



平成29年5月2日
筆者 Masaki Kimura