リハビリテーション新聞: 生活の中にリハビリテーションの仕掛けをつくろう

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生活の中にリハビリテーションの仕掛けをつくろう



画像引用 https://pixabay.com/


おはようございます。平成29830日水曜日。今日は、仕事が休みで、子どもたちと、ファミリープールにいくことになっています。今季はこれで、屋外プールは最後でしょう。


さて、理学療法士、作業療法士のみなさま。 仕事を休むとき、特に連休をとるときに、患者、利用者の廃用性症候群が気になりませんか? 私も昔は気になっており、「自分がいなきゃ、患者が弱る!」なんて、責任感を持っていたものです。

リハビリテーション担当である自分がいなければ、患者、利用者の活動は、少なくなり、身体機能が低下する。これを、当然のことだと思っていたのですから、今となっては恥ずかしい話です。




症例をあげます。




80
歳男性、町内会長をしているほど、活動的。右大腿骨頸部骨折。人工骨頭術後4週後。右股関節を80度以上屈曲すると術創部の痛みあり。このため、座位姿勢、起立動作を中心に制限あり。

さぁどうしましょう?  リハビリテーション担当であるあなたが、1週間休む場合、この80歳男性は、ベッドに寝て過ごすことになりますか?  さて、どうしましょう。




1週間休むなら・・・代理を立てる


多くの場合、同僚にリハビリテーションまかせることになるでしょう。


儲けるために、リハビリテーションを上限まで提供するのです。患者もリハビリテーションの機会を失わないので、一見、いいように見えます。




しかし、この恵まれた環境に甘んじていては、リハビリテーション職としての成長を逃してしまうことでしょう。




1週間休むなら・・・何か工夫する



一方、一人職場のリハビリテーション職は、このとき、成長するのです。 また、もともと一日20分しかリハビリテーションを提供できない体制にいるリハビリテーション職も成長するのです。他にも、週に1回しかリハビリテーションを提供しない、外来、通所、訪問にかかわるリハビリテーション職も成長するのです。




なぜか。



リハビリテーション職が関わらない時間に、患者、利用者が弱らないように、さまざまな仕掛けをすることになるからです。それどころか、良くなる仕掛けさえもつくります。




ーー ここから ちょっと専門的なはなし ーー


80歳男性、町内会長をしているほど、活動的。右大腿骨頸部骨折。人工骨頭術後4週後。右股関節を80度以上屈曲すると術創部の痛みあり。このため、座位姿勢、起立動作を中心に制限あり。



評価をすると、右股関節内外転中間位での股関節屈曲で、術創部(右殿部)の痛み、皮膚の張りあり。皮膚滑走不足をみとめる。右股関節をやや外転すると痛みは軽減する。また、徒手的に術創部の皮膚を滑走させても即時効果あり、痛みが軽減して、右股関節屈曲が80度から90度に改善する。 しかし、数時間後には、80度に戻る。

→  
端座位で、両下肢の貧乏ゆすりをしながら、趣味のパソコンをしてもらう。

→ 
効果あり。

 痛みのない範囲で、股関節をなるべく屈曲してパソコンをしてもらう。 股関節屈曲角度を調整するために、身体とパソコンまでの距離を、机の位置、高さで調整。座面の高さも、ベッドの高さや、椅子により調整。


→ 
誤用して、脊柱前屈や上肢前方リーチで代償してしまっていたら、修正。 右股関節屈曲をごまかすために、右殿部荷重を避け、右腰部痛がでたら、右殿部荷重を修正。また、誤用がごくわずかで気が付かず、後に腰痛や肩こりを訴えたら、誤用を評価して修正。


→  
右股関節屈曲110度まで改善。つぎは、右鼠径部の痛みを訴える。同様に、身体評価を経て、運動負荷の調整をしながら改善していく。


→ 
右股関節の可動域改善。座位姿勢、起立動作を中心とした制限は無くなった。




ーー ちょっと専門的なはなし ここまでーー



このように、患者、利用者が、主体的にリハビリテーションにとりくめるといいですね。 生活の中にリハビリテーションが落とし込まれていますから、リハビリテーションがいなくても、悪影響が少ないと言えます。 悪影響といえば、負荷調整や誤用修正ができないことでしょうか。それなら、はじめから、過負荷や誤用がおきそうな課題を避けて、安全パイをとればいいのです。



リハビリテーションを生活に落とし込めば、良いことばかり


これなら
気持ちよく、連休がとれますね。有給休暇を消化しやすいです。

子どもが熱をだしたときなど、託児所や学校に迎えに行きやすいことでしょう。
冠婚葬祭での休みや、介護休暇、育児休暇もとりやすいでしょう。



一方、昔の私のように 「自分がいなきゃ、患者が弱る!」 なんて、責任感を持っていたら、とてもきまずいことになるでしょう。



私自身が、この、きまずさの変化に気が付いています。





生活の中にリハビリテーションの仕掛けをつくることは、いいことです。




平成29年8月30日
筆者 Masaki Kimura