リハビリテーション新聞: 2018年 アナタは目標を数値化する?数値化しない?

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2018年 アナタは目標を数値化する?数値化しない?


画像引用 https://pixabay.com/

新年、あけまして、おめでとうございます。平成30年1月2日(火)。予定のない午後に、ひさしぶりに、記事を書いております。


さて、新年といえば、今年の抱負だとか、目標を決める方が多いのではないでしょうか。私は、毎年のように何かしら考えています。今年の目標は次の2つです。

  • 3km走 11:00から10:00へ  ピッチ194回/分 ストライド155cm
  • 体重55kgから60kgへ 体脂肪率7%

目標達成のためにおこなう、具体的なアクションプランとしては次の4つです。
  • 週4回 60分ジョギング 
  • 週1回  インターバル走
  • 週1回 筋肥大トレーニング
  • 毎日 タンパク質摂取量 体重1kgあたり2~3g 


実直に取り組む予定です。



リハビリテーション業務における目標設定



さて、目標設定といえば、リハビリテーション業務の中でも、最重要な話の1つですね。


多くのリハビリテーション職が、日々の業務の中で、成果を求められていることと思います。その中で、数値化された効果判定指標を用いて、数値で示すことは、とても重要になってきます。


とはいっても、数値で示していない同業者が多いのではないでしょうか。


数値化されていない効果判定指標



数値で示さない効果判定というものは、「有」を「無」にしたりその逆を確認することで、おこないます。


なにかしら相談があったり、問題が生じたときに、評価により解決すべき活動制限をハッキリさせたのち、なにかを講じて、その活動制限がなくなれば、「成果がでた」と言えるわけです。

例えば・・・

  • 褥瘡ができたら、評価して対策をしてモニタリング。褥瘡完治。
  • ナースコールが使いにくいと相談があれば、評価して対策をしてモニタリング。ナースコールが使いやすくなる。
  • 立位を保持したままズボン操作むずかしいとの相談があれば、評価して対策をしてモニタリング。ズボン操作に余裕がでる。
  • パソコンで困りごとがあれば、評価して対策をしてモニタリング。困り事が解決する。

数値化されていない効果判定指標の利点と欠点



数値で示さない効果判定というものは、とてもシンプルで、誰がみても「成果がでている」と認識できます。本人や多職種も納得できる効果判定方法です。



しかし、この方法に欠点があります。


要求にたいして、どこまでやるかあいまいなのです。
「ナースコールが使えない状況」から、「なんとか使える状況」にすれば、
「はいっ成果がでた」と、去ることができてしまうのです。
これをやってしまうと、後になって関連する問題が頻発してしまい、本質的な解決になりません。


本人や多職種からは、「詰めが甘い」、「仕事が雑」などのクレームがでてしまいます。
ではどうするか・・・。


数値化された効果判定指標の導入です。



数値化された効果判定指標



数値目標の例をあげると次のようなものです。
  • 褥瘡ができた
     ①血中アルブミン値 3.0 g/dL → 3.5 g/dL
        残菜率20% → 10%
        栄養補助食品 0個/日 → 1個/日
        摂取タンパク 体重*0.8g/日 → 体重*1.0g/日
        水分摂取 1L/日 → 1.3L/日
     ②患部の減圧 58mmHg → 28mmHg
               ずれ力の軽減 背抜き未実施 → 毎回
  • ナースコールが使いにくい
     ①ナースコール操作の所要時間  60秒 → 3秒   
  • 立位を保持したままズボン操作むずかしい
     ①平行棒内立位保持時間 右手把持による支持あり 5秒 → 60秒
     ②平行棒内立位保持時間 左手把持による支持あり 1秒 → 30秒
     ③足関節関節可動域 背屈  右0°、左-5° → 両側10°
  • パソコンで困りごと
     ①DVD視聴までの所要時間 口頭指示で5分 → 自力で60秒
     ②Eメール送信までの所要時間 10分 → 60秒

担当職種やアクションプランが曖昧な場合、数値目標は、もっと分解します。


ここまで、ハッキリと数値目標がきまれば、「なんて理論的なんだ!あとは頑張って数値を追求すればいい!なんで素晴らしいんだなんだ!」 と思ってしまいそうですが、そうでもありません。




数値化の欠点



まず、指標は変化します。新しい情報が入ったり、外的要因が変化するだけで、容易に変化します。この変化にチームが柔軟に対応できるほど、チームは強いでしょうか。

次に、数値を追ってしまうことも問題です。「褥瘡ができた」という問題にたいして、「残菜率20% → 10%」とのアクションプランがあったとき、体調不良時や、嗜好に合わない食事に無理をすることになります。


また、回復期の患者にたいして「FIM改善率」あるいは「自宅退院率」を追求してしまうことも、数値を追ってしまう弊害です。 その結果、退院後の生活が置き去りになってしまいます。



そして、一番の問題は、オンデマンド(クライエントの要求にたいする応答)にならないことです。クライエントは「私は車いすに乗るために、褥瘡を治して欲しいだけなのに、なんできらいな鶏肉を食べさせられるんだ! 食事なんかよりも、車いすの工夫をすれば、車いすに座れるんじゅないか!?」 という不満を持つのです。



これから派生するものは問題としては、「セラピストのエゴ」、「クライエントおきざり」、「融通がきかない」、「もっと横の連携をしなさい」、「職域侵害」などです。




目標は数値化しない?する?



じゃあ、結局、目標設定ってどうすればよいのでしょうか。


現時点での私の考えとしては・・・


「クライエントや多職種との共通のモノサシは極力、数値化しない。自分のなかでのPDCAサイクルや、有識者との協議では数値を用いる」 というものです。


すっごく曖昧な考えですが、どちらにも利点・欠点を感じており、利点を生かす考え方です。私の仕事のスタイルや、環境ではしっくりきています。



皆さまは、どうでしょうか。もしよかったら、考えてみてください。




おわりに



5年前の私のツイートを引用しておわります。


「生活を聞かず問題を定めるな!」
「治すべき生活がさだまっていないのに身体検査をするな!」
「治すべき生活がわからないくせに検査結果の改善を図るな!」
「生活が改善していないのに、あなたが一方的に定めた検査の改善を褒めるな!自画自賛するな!」
「生活改善だけがモノサシ。チーム全体で盛り上げろ!」




はい。


それでは、みなさま、今年一年、健康に過ごし、目標に向かって頑張りましょう。
本日は、このあたりで失礼します。




平成30年1月2日
筆者 Masaki Kimura